Go, Next 25 Years.
2013年11月、創業25周年を記念して
ヒューマネージの「これまで」を
支えてくださった方々から、
「これから」に向けて
メッセージをいただきました。
京都大学教育学部教育心理学科卒業、産業能率大学総合研究所研究員、ヘイコンサルティンググループコンサルタントを経て、1997年よりタワーズワトソンコンサルタント。2005年4月よりビジネス・ブレークスルー大学院大学専任教授、ボンド大学非常勤准教授。2013年4月より明治大学大学院グローバル ビジネス研究科兼任講師。2003年~2010年早稲田大学文学学術院心理学教室非常勤講師。人事、人材領域のコンサルティング活動に加え、心理学的な見地からの新しい人材論についての研究、開発を行うことで、次世代の人材についての考え方も世の中に提唱する。主な著書に、『会社を変える社員はどこにいるか』『できる人採れてますか』『自分を変える鍵はどこにあるか』『コンピテンシー面接マニュアル』『仕事中だけうつになる人たち』『20代で大切にしておきたいこと』がある。
コンピテンシーを広めて日本を元気にしたい
そんな思いの共有に基づくパートナーシップ。
1999年、現在のヒューマネージの前身であるアトラクス社の人事評価制度の改定を依頼された当時、私は、コンピテンシーという概念を日本にぜひ広めたいと思っていました。当時、グローバル競争の激化など経営環境が厳しさを増す中で、人材には成果を出す能力が強く求められていました。ところが、人材評価の基準は、相変わらず、学歴に基づく表層的なものであり、時代の変化に追いついていませんでした。そこで、コンピテンシーに基づく人材評価を、毎年数多くの企業が行っている新卒採用に応用する仕組みを考案することが、コンピテンシー普及の近道ではないかと考えたのです。コンピテンシーに基づく採用を広げることで日本を元気にできる、そんな思いに齋藤社長も共感してくれたことでパートナーシップが生まれ、私は、単なる人事評価制度の改定という当初の依頼内容を越えて、新事業をこの会社と共に創り上げていくことになったのです。
コンサルティングツールとして誕生した
コンピテンシー適性検査『Another 8』。
当時のアトラクス社は、顧客から依頼されたことを確実に行うアウトソーシング企業でしたが、私は、コンピテンシーを普及させるために、顧客にパートナーとして様々な提案ができる企業になってもらいたいと思いました。提案やコンサルティングを行うためにはツールが必要だということで開発したのが『Another 8』でした。また、徹夜の合宿や心理学の講義も定期的に行い、コンサルティングノウハウを伝授する中で、社員の皆さんの顔つきがどんどん変わっていき、2000年8月、『Another 8』をリリースするセミナーが開かれた際には、会場の雰囲気がすごく前向きになっていて、感動したのをいまでも憶えています。
「世の中のために」という一貫した姿勢が
あるから
顧問として
この会社を応援し続けたい。
アトラクス社からヒューマネージになっても一貫しているのは、「世の中のためになることをやっていこう」というこの会社の姿勢です。適性アセスメント事業も、採用ソリューション事業も、コンピテンシーに代表される独自の能力観に基づき人材をちゃんと育てていこう、そして、育てた人材それぞれが、自分自身にマッチした企業に入っていくような仕組みをつくっていこうという思いに支えられて発展してきました。これだけの規模の会社になると事業を成り立たせるためにいろいろなこともやらなければならないわけですが、本質が変わらないという点が、顧問としてこの会社を応援し続けたいと私が思う理由になっています。
もっと本質を掘り下げ、世の中を本質に
立ち戻らせるような会社になってほしい。
今後、ヒューマネージには、世の中を変える会社ではなく、もっと本質を掘り下げる会社になってもらいたいと思っています。コンピテンシーに基づく『Another 8』の開発も、それまで表層的な能力観に基づいていた人材採用を、本質的な能力観に基づく採用へと導くためのものでした。ハピネス適性検査の開発も、人間にとって本質的に大切なのは、満足度ではなく幸福度であるという思想に裏付けられたものでした。今後も、しっかりデータを集め、事実を観察することで、本質とは何かを掘り下げ、世の中を本質に立ち戻らせる、そんな会社になっていってほしいと思います。
コロンビア大学国際教育開発学修士号を取得後、AIG米国本社の人事リーダーシッププログラム生として入社。日本支社人事部にて採用・制度企画・オペレーション・BPなどを担当し、企画マネージャー、人事課長を務めた。2006年、DHLジャパンに人材・組織開発の責任者として入社。2010年よりドイツ本社に転籍し、エクゼクティブオフィサーの人材開発シニアエキスパートとして勤務。2014年よりGEクロトンビルにて日本およびアジア太平洋地域のリーダーシップ開発や変革推進を統括。2019年に株式会社資生堂グローバル本社での勤務を経て、2021年よりPwC Japanへ、現在に至る。
まさにドンピシャのアセスメントツール
ある意味、一目惚れで、ぜひ使いたいと思った。
私は、以前勤務していた米国金融グループの日本支社人事部で採用や人事評価の仕組みづくりを担当していました。その企業の評価制度の改定を川上コンサルタントにお願いした際に出逢ったのがヒューマネージ(当時のアトラクス社)のコンピテンシー適性検査『Another 8』でした。第一印象は、それまで市場で多くのシェアを占めていたアセスメントツールと比べて、根本的にコンセプトが違うなということ。具体的に言えば、保有能力ではなく、発揮能力を見て、さらにその再現性を見ていきましょうという、当たり前のようでいてそれまで使われていなかった考えが具現化されていました。私自身、コンピテンシーアセスメントを採用にも取り入れたいが、大量の応募者を限られた時間で評価するには、補助的なツールが必要だと考えていましたので、これは、まさにドンピシャのもので、紹介いただいて、すぐに使いたいと思いました。ある意味、一目惚れでしたね。
ヒューマネージの顧客中心主義に感銘を受けて
コンピテンシー適性検査『Another 8』。
結局、私が勤務していた米国金融グループ日本支社は、『Another 8』の第1号ユーザーになりました。ただ、前例を踏襲する傾向が強い人事の世界で、斬新なコンセプトに基づく『Another 8』はなかなか普及しませんでした。そこで、当時、『Another 8』の営業を統括されていた齋藤社長の依頼を受けて、私は、販促セミナーで、採用現場で実際にこのツールを使った立場からそのメリット、課題などについてつまびらかにお話させていただきました。私が販促活動に協力したいと思ったのは、こちらの無理な要求にもきめ細かく応えてくれるヒューマネージの顧客中心主義に感銘を受けており、そのお礼の気持ちもありました。
Employee Life-cycle全体に、
そしてGlobalに事業を拡大していってほしい。
ITシステムに蓄積されたデータ分析に基づく、高度なソリューションを提供する力を有するヒューマネージには、現在、採用管理システム『i-web』が担っている選考から入社までの人材管理を、入社から退社までのEmployee Life-cycle全体にまで広げる、いわゆる総合的なTalent Managementへの展開を期待しています。また、グローバル企業に勤務している私の立場から言えば、我々日本人が大切に育んできた強みを人的資本経営の世界で活かす可能性はまだまだあると思いますので、日本人ならではの強みに基づく事業をグローバルに広げていく、そんな展開も大いに期待したいと思います。
大手メーカーを経てリクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。新規事業の企画推進、人事制度設計等に携わる。 その後リクルートワークス研究所『Works』編集長。2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを立ち上げる。「エンゼルバンク」(モーニング連載)の主人公海老沢康生のモデルでもある。『人事の成り立ち』(白桃書房)、『人事の企み~したたかに経営を動かすための作戦集~』(日経BP)など、著書多数。
象牙の塔に閉ざされていたアセスメントを
分かりやすいものにした功績は大きい。
私とヒューマネージとの出逢いは、2001年、当時私が編集長を務めていた人事情報誌で人材アセスメントを特集した際でした。約1,000社の企業を対象に最も使われているアセスメントツールを調査した結果、ヒューマネージ(当時のアトラクス社)の『Another 8』が行動特性の評価ツールでNo.1となり、齋藤社長と川上コンサルタントに取材しました。それまで、アセスメントツールというと、一般の人事にはわかりにくい、象牙の塔に閉ざされたものというイメージがありました。それに対して『Another 8』は、被検者の行動特性が誰にも一見して分かるように工夫され、とても使いやすかった。また、私が「これは、人材のエンジンのようなものですね?」と尋ねると、「そうですね、OSみたいなものです」というふうに、取材の際の説明も非常に分かりやすく、この会社はひょっとして、日本のアセスメントの世界を変えるのではないかと思ったところ、実際にそうなりました。
『中小企業ミシュラン』選出の最大の理由は、
“低成長モデル”というユニークな経営方針。
その後私は、就職活動生向けに優良な中小企業を紹介する『中小企業ミシュラン』という書籍を編纂し、その中の1社にヒューマネージを選出しました。選出の理由は、齋藤さんが掲げる“低成長モデル”というユニークな経営方針にあります。齋藤さんには、急激な成長には無理が伴うため、継続性がなくなる、だから、低くても安定して成長し続けるパターンが一番良いという確固たる信念がありました。中小企業というと、一攫千金を狙って急激な成長を求めるか、成長をないがしろにしてただ細く長くを志向するケースが多い中、低くても確実に成長し続けることを志向する姿勢に共感を覚えました。
システムとアセスメントを有機的に結合し
本当に人を活かす採用を実現してほしい。
ヒューマネージには、優れた機能性を誇る採用管理システム『i-web』と、基本的な資質や行動特性、ストレス耐性、チーム・コミュニケーションなど、人材を多面的に評価する多様なアセスメントツールの双方がそろっています。この2つをもつ企業は他にもありますが、大企業になると両者が縦割りで個別に管理されているケースも見られます。その点、ヒューマネージは、規模的にも経営体制上も、双方を有機的に結合することができる環境にあり、そうした特色を活かして、本当に人を活かす採用を実現していってほしいと思いますし、日本でそれができるのは、この会社だけではないかと期待しています。
静岡県出身。慶應義塾大学文学部仏文科卒業後、1983年、フジテレビジョン入社。アナウンサーとして、ニュース番組のキャスターならびにワイドショー番組などの司会を務める。退社後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程に進学し、同校でMBAを取得後、1998年、同大学大学院商学研究科 博士課程を卒業。同年、明治大学専任講師に就任。2004年明治大学情報コミュニケーション学部 助教授、2007年准教授就任。2009年より現職。公職として、内閣府「男女共同参画推進連携会議」有識者議員を務める。一児の母。専門は人的資源管理、経営管理論ならびに「ジェンダー・マネジメント」(企業経営における人事問題をジェンダーの視点から分析する)。
きっかけは、2007年のMBOを機に始まった
産学協同の「就業意識研究プロジェクト」。
私とヒューマネージとの関わりは、2007年に、学生の就業意識調査に関する産学協同研究のお誘いをいただいたときに遡ります。ちょうどその頃、ヒューマネージは、MBOにより独立され、それを機に研究開発的な事業を強化されようとしておられました。そこで、私が2006年10月に日本経済新聞に発表した、学生の就業意識に関する小論に齋藤社長が興味を抱かれ、プロジェクトへの参加を打診してくださったのです。社長のお話をうかがって、きちんとした経営理念をおもちで、学術的・科学的な実証データを基に、新卒採用に関する提言を社会に向けてしていきたいという情熱をおもちであることが分かり、ぜひ協力させていただこうと思いました。私が独自に行っていた就業意識調査は、数千人レベルのサンプルを対象にしたものでしたが、ヒューマネージと協働することで、7~8万人といった非常に大きなサンプルを対象に調査を実施することも大きな魅力でした。
ジェンダー・マネジメントの観点から、
性差を越えた就業意識の多様性を明らかにしたい。
私は、女性の能力活用をめざすジェンダー・マネジメントを専門に研究しています。大学で学生や若手社員の就業意識調査を手がけたのも、特に女性の就業意識をより明らかにし、皆さんにお伝えする必要があると思ったからです。たとえば、意欲的な女性ほど組織中心志向が強かったり、男性よりも、仕事のやり甲斐などの内的報酬を求める傾向が強いといったことが研究により明らかになりました。逆に男性の中にも、いわゆるOL的な就業意識の人もおり、そういった性差を越えて個々人を見た場合の就業意識の多様性を理解することは、新卒採用や若手社員のリテンションにとっても有用であると思います。
成長戦略の要である女性の能力活用に関して
協同研究を通じて、有意義な提言を発信したい。
少子高齢化により労働力が減少する中、日本経済が発展するためには女性の能力活用が必須であるという認識は、政府の成長戦略の要でもありますし、国際的な共通認識でもあります。そんな中で、若者の就業意識に関する協同調査をさらに拡充し、継続することで、ジェンダー(性差)で人材マネジメントを分けて考えるというやり方が必ずしも得策ではないということが、実証的に理解していただけるのではないかと思います。ヒューマネージとの産学協同体制は、そういった意味でも、社会的な意義が高いものであり、私も、研究分析に基づく有意義な提言をするためにさらに頑張っていきたいと思っています。
クリエイティブ・ディレクター、コピーライター。主な仕事は日産自動車「モノより思い出」、プレイステーション、サントリー伊右衛門、ザ・プレミ アムモルツ、レクサスCT200hなど。イオンレイクタウンや天王洲再開発など都市開発も手がける。海外の権威ある広告賞であるCLIO 、ニューヨークADC、ONE SHOWなど、数々の賞を受賞。国内でもTCC賞、ACC 賞など受賞歴多数。TCC審査員、ENGINE 01 文化戦略会議メンバー。
知的で斬新、その上、ユーモアもある
そんな思いを込めた適性検査のネーミング。
僕とヒューマネージとの関わりは、コンピテンシー適性検査『Another 8』(通称:A8)のネーミングを担当したときから始まります。コンピテンシーという従来の適性検査にない能力観に基づく商品ということで、海外のブランドが進出してきたかのようなたたずまいをもち、思わずもっと知りたくなるもの、さらに言えば、知的かつ斬新、さらに、ユーモアもあって安心して任せられる、そんな名称にしたいと思い、アルファベットと数字の組み合わせを考えました。実は、A8については、開発者の川上さんも僕も関西人ということで、「“えーヤツ”という意味でA8なんてどうですか?」と僕が会議で提案し、みんなが賛同してくれたという経緯もあります。最初にA8という通称が浮かび、その後、Aから始まる英語の形容詞をみんなで辞書を引いたりして探す中で、最終的に“新しい8つの観点で能力を見る”という意味で、『Another 8』という正式な商品名に落ち着いたわけです。
「もう、人の時代なんです」という社長の
言葉をストレートに表した新社名。
僕は、ヒューマネージの社名のネーミングも任せていただきましたが、この名称は、「もう、人の時代なんです」という齋藤社長の一言をHuman Age=Humanageというふうにシンプルかつストレートに表したものです。また、Human Capital Management(人的資本経営)とのダブルミーニングにもなっています。齋藤さんには、人を資源ではなく資本とみることで、可能性を無限に引き出していく人的資本経営を貫きたいというぶれない哲学があるのは、最初から明白でした。ですから、ロゴマークも、三角形の真ん中に「人」という文字をシンボリックに描き、経営ポリシーの原点を忠実に表すものにしました。
人や組織、時代をもっと楽しく、輝かせる
ビジョンを提示できる会社であってほしい。
齋藤さんが言うように、僕自身も、現在は、明らかにモノや政治や経済の時代ではなく、人の時代、特に人のもっている心の時代になっていることは明らかだと思っています。その人の時代をどう生き抜くべきか、様々な企業が模索していますが、答えを出しているところはまだあまりないようです。ヒューマネージには、人をもっと輝かせるには、どうしたらよいか、特に、人と組織の関わり方をもっと楽しいものにするためのビジョンを提示するような存在になってほしい。そうすることで、僕たちは夢を見られるし、世の中全体、さらに言えば、時代に貢献できる企業になっていけるのではないでしょうか。