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2005/01/25

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わが国初の「社会性」適性検査『W8』と企業と学生の価値観(ビジョン)の一致度合いを見極める『Vision. web』を同時発売。また『TG-WEB』の利用料金を定額化。※日本経済新聞(2005年1月25日付)に掲載

2005年1月25日

人的資本経営の哲学に基づく適性アセスメント事業とEAP(従業員援助プログラム)事業を展開する株式会社アトラクス ヒューマネージ(本社:東京都江東区富岡1-13-6 アトラクスビル 6F、代表取締役社長:齋藤 亮三、以下アトラクス ヒューマネージ)は、早稲田大学教授・小杉正太郎氏と世界最大級の人材戦略コンサルティング会社・ワトソン ワイアット社の両監修による、わが国で初めて「社会性」を定量的に測定する適性検査『W8』(ダブリュー・エイト)と、企業と学生の価値観(ビジョン)の一致度合いを調査するビジョン・マッチングシステム『Vision. web』(ビジョン・ウェブ)の2種類のアセスメントツールの販売を1月より開始した。双方の検査ともに、人材採用において従来の能力・資質要件に加えて「社会性」や「ビジョン」を見極めたいとする採用担当者の要望に応えて開発されたものである。またそれと同時に、従来からの提供商品であった『TG-WEB』の利用料金システムを受検人数無制限の定額制に改定した。

コンピテンシーの発揮にも影響を与える「社会性」を測るわが国初の適性検査『W8』
社会性」適性検査『W8』は、「最近、社員の社会性の低下が企業競争力を下げているのではないか」、または、「社会性について、最近の採用であまり重視してこなかった弊害が出てきているのではないか」といった企業の採用担当者の声に応えて開発された人材の「社会性」のレベルを測るアセスメントツールである。

『W8』でいうところの「社会性」とは、簡単に言えば、「周囲の人たちとの間で、協力的な関係を築き上げようとする行動傾向」を意味する。また、「社会性の高い人材」とは、「周囲と協力しあうことでより大きな成果を生み出す可能性が高い人材」と考えられる。

社会性は、様々な能力、資質の発揮に関わってくる。たとえば、その有効性が広く認められ、急速に普及しつあるコンピテンシー採用だが、「社会性」は、コンピテンシーのより安定した発揮にも大きな影響を与える。たとえば、コンピテンシーが非常に高い人材でも、周囲の人たちと協力的な関係を築き上げられない場合、単独で成果を生み出すだけとなり、その成果の大きさには限界が出てしまう。それに対して、コンピテンシーのレベルが非常に高いとまでは言えない人材でも、多くの人たちと協力する中でコンピテンシーを発揮することができれば、単独では達成できないような大きな成果を生み出すことも可能となる。つまり、「社会性」が高い人材は、周囲の人たちと協力関係を広げることで、1+1を3にも4にもしうる人材だということができる。

また、コンピテンシーには様々な種類があるが、あらゆるコンピテンシーを兼ね備えた人材を採用できる確率は、実際には非常に低い。それに対して、コンピテンシーによって得意、不得意はあるとしても、「社会性」が高く、互いに不得意な分野を補い合うことができる人材を採用できる確率は、ずっと高くなる。そのため、あらゆる点で非の打ち所のない完璧な人材を採用しようと考えるよりは、許容範囲内であれば、"不完全な部分を補い合える力をもった人材"="社会性が高い人材"の採用をめざすほうが、より現実的だという認識も、上述の採用担当者間の"社会性"重視の傾向の背景にはあると考えられる。

一方、「社会性」を採用選考基準のひとつにすること自体は、決して新しいことではない。たとえば、「体育会系クラブ出身者であれば、社会性が高いはずだ」という見解に基づき、採用選考プロセスにおいて「社会性」が判定されるケースは、従来からよく見られた。しかし実際には、体育会系クラブのメンバーの中にも自己中心的な人はおり、こうした表面的な事象から「社会性」を正確に判定することは困難である。

そこで『W8』では、早稲田大学 小杉正太郎教授の心理学の知見に基づき、「社会性」を「相互に利益が得られる関係を築き上げる力」のことだと定義。その上で、それを「自尊」と「共感」という2つの因子に分解し、これらを評価項目に据えて、受検者の「社会性」を科学的に客観性と妥当性のある方法で測定することを可能にしている。 「自尊」とは、「I am OK」、すなわち「自分には得意なことがあると考え、自分の価値を認めようとする行動傾向」を指す。一方、「共感」とは、「You are OK」、すなわち、「他者がいまどのように感じ、考えているかを常に理解しようとする行動傾向」を指す。自尊も共感も高い人材、すなわち、「I am OK. You are OK」の人材が、社会性が高い人材の必要条件となる。

ただし、「自尊」と「共感」双方が高くても、それぞれに客観的な自己認識が伴っていない場合、「社会性がある」とは言えない。たとえば「自尊」が高くても「ただ偉そうなだけ」と他者から思われている場合もあれば、「共感」が高くても「余計なおせっかい」と思われている場合もありうる。『W8』ではこの客観的な自己認識を、「自尊」に伴うべき「私的自己認識」(自分自身を正確に捉えようとする度合い)、「共感」に伴うべき「社会的自己認識」(他者から自分がどうみられているかを正確に捉えようとする度合い)の2つに分けてさらに分析し、その結果も合わせて表示することで、人材が社会性の必要条件と十分条件それぞれをどの程度満たすかを判定している。

『W8』をアトラクス ヒューマネージが提供するコンピテンシー適性検査『Another8』などのその他の人材アセスメントツールと組み合わせて利用することで、入社後成果を生み出す可能性が高い人材をさらに的確に選考できるようになることが期待される。

企業と学生の価値観不一致による問題回避に役立つ初期選考支援ツール『Vision. web』
「能力の点では優秀のはずなのに、入社後なかなか成果を上げられない社員がいる」、「若手社員の離職が急増している」といった声が、人事採用担当者から数多く聞かれる。こうした問題には様々な理由が考えられるが、その理由のひとつとして、仕事に関する双方の価値観(ビジョン)の不一致があると指摘されている。つまり、企業側の「こう働いてほしい」という意識と、学生側の「こう働きたい」という意識の間にギャップがあるまま入社した結果、入社後、組織や仕事に関して不適応状態に陥り、期待される成果を上げられなかったり、早期に離職してしまうケースがあるということである。

このような企業と学生各々のビジョンのミスマッチから派生する問題を解決するには、両者の意識(ビジョン)のマッチングを入社選考時に確認しておくことが重要になる。『Vision. web』は、企業と学生、双方の意識(ビジョン)を調査し、その上で双方のマッチング度合いを測る双方向型のシステムとして設計されている。

具体的には、先ず、企業への入社を希望する学生に対し、エントリー時にウェブ上でキャリアビジョンについての調査を実施する。そしてこの調査結果と、社内サーベイを通じて明確にした企業側の経営理念(ビジネスビジョン)のマッチングを実施し、その結果をVision Matching指数としてアウトプットし、企業に提供する。

また『Vision. web』は、アトラクス ヒューマネージが提供するコンピテンシー適性検査『Another8』と連動して活用することもできる。社内サーベイによって明確になったビジネスビジョンに沿って、学生のビジョン(価値観)だけでなく、コンピテンシー(能力)も確認することで、さらに精度の高い選考を行うことが可能になる。

『Vision. web』は、様々な人材要件の中でも、人材の採用に当たって考慮すべき基本的な"必要条件"を調査するツールであり、アトラクス ヒューマネージが提供するアセスメントツールラインアップの中でも、選考プロセスの初期段階で活用することが最も望ましい初期選考支援ツールとして位置づけられている。そのため、選考対象の学生数が一般的に相当数に達する初期選考段階でも利用しやすいよう、その他のアセスメントツールの課金システムが1件当たりの料金で定められているのに対して、『Vision. web』は、学生の受検人数に関わらず一定料金で利用できる定額制を採用している。

またアトラクス ヒューマネージは、『Vision. web』の発売と共に、同じく初期選考支援ツールである、『TG-WEB』の利用料金制度を従来の1件ごとの課金から、受検人数無制限の定額制に改定した。

以上

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