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2005/05/23

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インターネット上で受検と結果のリアルタイムフィードバックが可能なストレスマネジメント・システム『Co-Labo [System]』を開発、6月よりサービス開始。※日経産業新聞(2005年5月23日付)に掲載

2005年5月23日

ITXグループで、人的資本経営の哲学に基づく適性アセスメント事業とEAP(従業員支援プログラム)(*1)事業を展開する株式会社アトラクス ヒューマネージ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:齋藤 亮三、以下アトラクス ヒューマネージ)は、インターネット上で、受検と結果のリアルタイムフィードバックが可能なストレスマネジメント・システム『Co-Labo [System]』(コラボ・システム)を開発し、同システムに基づくサービスを6月より開始する。

結果のリアルタイムフィードバック機能、 年間契約による期間比較(時系列推移)機能が新たに加わる。
アトラクス ヒューマネージでは、ストレスマネジメント検査『Co-Labo』(*2)を、自記式版(マークシート方式)とWEB版の2つの受検方式で提供してきたが、いずれの場合でも、分析結果については、受検後数日を経た後に、個人(従業員)向け、組織向けに『メンタルヘルスフィードバック』という紙ベースの納品形態でフィードバックしてきた。今回、『Co-Labo [System]』の導入により、個人向け、組織向けともに『メンタルヘルスフィードバック』をインターネット経由で受検後直ぐに行うことが可能になった。

また、これまでは『Co-Labo』受検⇒結果フィードバックのサービス提供フローが完結する1回完結型(「サーベイ方式」)でのサービス提供が基本であったが、『Co-Labo [System]』では、「年間契約方式」を導入することで、従来と同じ料金体系でありながら最多で月1回/年12回までの反復・継続利用が可能となり、これに伴い、分析結果の期間比較(時系列推移)が出力され、例えば、前回の受検結果よりもストレス状態が改善しているのか、悪化しているのかを容易に把握することができるようになった。

『Co-Labo [System]』による個人向けサービスの特徴 : 定期健康診断を受ける要領で自らのメンタルヘルス状態をリアルタイムで知り、さらに時系列でその変化を把握可能に。
『Co-Labo [System]』を利用することで、個人(従業員)は、場所や時間の制約なしに、『Co-Labo』を受検し、受検後、その結果をリアルタイムで知ることができる。これにより、身体の健康状態を知るために定期的に健康診断を受けるように、自らのメンタルヘルス状態を逐次把握し、メンタルヘルス管理に役立てることが可能となった。また、『Co-Labo [System]』では、直近の受検結果がHTML形式で表示される他、受検結果履歴として、受検回ごとにPDFファイルでシステム内に保存されるため、過去の受検結果をいつでも参照できる。

さらに個人向けアウトプットとして、受検結果の時系列変化を、アウトプット項目ごとに折れ線グラフで表示する機能も備わっている。例えば、心理的ストレス反応(疲労感、イライラ感、緊張感、身体の不調感、憂うつ感)が時系列でどのように変化しているかを見て、これが改善されているのか、悪化しているのかを知ることで、個人のストレス対応策が有効に機能しているかなどを検討することができる。また、各人がパスワードを自由に設定できるなど、プライバシー保護のための対策も万全に施されている。

受検ごとに設問が変更されていても同じ計測結果を得ることができる、『項目反応理論』を応用した心理検査をわが国で初めて商品化。
また、この『Co-Labo [System]』では、ストレスマネジメント検査『Co-Labo』の継続受検が前提となっているが、そのためには、受検者の時間的負担を減らし、且つ、複数回受検しても検査の信頼性と妥当性が低下しない対策を講じる必要があった。そのため、早稲田大学 小杉研究室の協力を得て、計測対象の8尺度はそのままで、設問数を従来の172問(受検時間は約30分)から58問(受検時間は約10分)と約1/3に短縮化した『短縮版』(Shorter)を開発し、と同時に、受検者の反復受検による学習効果を防ぐために、受検ごとにすべての設問が変更し、且つ何回受検しても計測対象の8尺度を的確に計測できるという、『項目反応理論』(Item Response Theory)を応用した仕組みを導入した。

『項目反応理論』を応用して商品化された学力(知的能力)検査はこれまでにも存在したが、『項目反応理論』を応用して商品化された心理検査はわが国初めてであり、アトラクス ヒューマネージではビジネスモデル特許を申請した。

尚、ここ数年、インターネットを活用した採用試験が急速に普及しており、アトラクス ヒューマネージでは、今後、同社のすべてのWEB採用試験にこの仕組みを導入していく予定。

『Co-Labo [System]』による組織向けサービスの特徴 : リアルタイムの結果表示、アラート機能により、ストレスに起因する生産性低下などのリスクをタイムリーかつ戦略的に管理。
『Co-Labo [System]』により、個人の『Co-Labo』受検結果は、組織向けにも受検後直ぐに集計・分析され、ウェブ上でリアルタイムに表示される。集計・分析結果は、(1)指標別(心理的ストレス反応、職場ストレッサー、コーピング、ソーシャルサポート、ソーシャルスキル、職務満足度)、(2)属性別(全社、男女別比較、年代別比較、部署別比較、職種別比較)の2つの切り口で表示される。また(2)の属性別のグループ分けは、標準項目以外にも、採用(新卒・中途)別、プロジェクト単位別など、自由にカスタマイズすることが可能であり、各組織が独自の指針に基づき、データを分析し、組織のメンタルヘルス管理に関する情報やナレッジを抽出することが可能である。さらに、例えば、「前月に残業時間がある一定レベルを超えた者」という切り口で該当者を抽出し、その該当者に『Co-Labo』を受検させ、その結果、心理的ストレス反応の著しい悪化などが見られた場合にはカウンセリングへ誘導するなど、特定の属性を有するサブグループ向けに予防的対応をタイムリーに講じることも可能となる。

アウトプットの表現形態も、グラフ、文章(グラフに対する解説文)など、『Co-Labo』の利用経験が浅い担当者にも分かりやすいような形態が豊富に用意されている。さらに、組織のメンタルヘルス管理上注意を要する項目には星マーク(☆)が表示される「アラート機能」も備えており、ストレスに起因する生産性低下などのリスクをプロアクティブかつ戦略的に管理することが可能となる。(星マークは、リスク管理上の問題の重大性に応じて、その数が増えるように工夫されている)。たとえば、「直近の検査期間における20代の営業職の心理的ストレス反応(身体の不調感)が、組織平均を大きく上回っている」といった情報を『Co-Labo [System]』ではアウトプットデータを一見して知ることができ、問題が生じる前に有効な施策を講じる際に役立つ。

個人同様、組織向けにも受検結果の期間比較(時系列推移)が表示され、組織・サブグループ単位で実施したストレスマネジメント施策が効果を表しているかなどを、時系列データを見て、分析・評価することも可能である。また、「期間比較」の他にも、「受検状況紹介」「組織分析PDF出力」「組織分析CSV出力」などの組織メンタルヘルス管理状況の把握及び諸施策の立案に有用なデータも出力される。

尚、個人向けアウトプット同様、組織向けアウトプットにおいても、個人のプライバシー保護には最大限の配慮が払われており、個人が特定されることを避けるために5名未満の組織・サブグループについては、結果は表示されない。

以上

*1:EAP:Employee Assistance Program :従業員支援プログラムの略称。1940年代に、米国で誕生した。その目的は、精神的なストレス・不安を抱える社員に対して適切なサポートを行い、職場環境へのより良好な適応を促すことにある。このプログラムは、個人に対する福利厚生の一環にとどまらず、生産性を向上させるという意味で企業にとってもメリットが大きいことが認識されており、米国ではすでに約95%もの企業で導入されていると言われる(フォーチュン上位100社では100%の企業が導入)。わが国においても、長引く不況や昨今の労働環境の急激な変化が、企業で働く人々に大きな心理的負担を与えて、"社内うつ"と称される社内不活性状態に陥った社員の問題もクローズアップされている。実際、厚生労働省の調査でも、企業労働者の約7割が仕事・人間関係に関して悩みやストレスを抱えているという結果が明らかになっており、さらに企業で働く約5%もの人々が心理的なストレスから職場不適応状態に陥っているという調査結果もある。こうした状況を背景に、日本でもEAPに対する関心が急速に高まっている。

*2:ストレスマネジメント検査『Co-Labo』:『Co-Labo』(コラボ)は、ストレス心理学で著名な早稲田大学 文学部 心理学教室 小杉 正太郎 教授が、4万件を超える豊富なデータをもとに開発した「職場ストレススケール(JSS)」に基づき開発された現有社員向けストレスマネジメント検査である。「職場ストレススケール(Job Stress Scale=JSS)」とは、職場におけるストレス状態を客観的に測定し、その結果を数値化して提示する心理検査の一種である。

ストレス状態は、ストレスの原因となる事象(ストレッサー)、ストレッサーへの対処方法(コーピング)、さらにストレッサーによって起こる心理的ストレス反応の3つの要素から成り立っている。ストレッサーや、心理的ストレス反応のみを調べる簡単な検査は従来もあったが、『Co-Labo』は、ストレス状態を多角的に分析できる点が大きな特徴となっており、その検査項目は、ストレッサーに対処する方法として個人が習慣化している行動特性であるコーピングやソーシャルサポート、ソーシャルスキル、家族ストレッサー、職務満足感など7尺度にも及び、これだけ多様な尺度でストレス状態を測定し、定量的に知ることができる検査は他に類を見ない。

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