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2005/07/19

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EAPサービスでテレビ電話を活用した対人カウンセリングシステムを開発、本日よりサービス開始。ビジネスモデル特許も出願。※日経産業新聞(2005年7月19日付)に掲載

2005年7月19日

ITXグループで、人的資本経営の哲学に基づく適性アセスメント事業とEAP(従業員支援プログラム)(*1)事業を展開する株式会社アトラクス ヒューマネージ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:齋藤 亮三、以下アトラクス ヒューマネージ)は、EAPサービスの一環として、テレビ電話を活用した対人カウンセリングシステムを開発し、本日よりサービス提供を開始しました。尚、テレビ電話活用の対人カウンセリングシステムとしては世界で初めてビジネスモデル特許出願を申請しました。

*1:EAP:Employee Assistance Program=従業員支援プログラムの略称。1940年代に、米国で誕生した。その目的は、精神的なストレス・不安を抱える社員に対して適切なサポートを行い、職場環境へのより良好な適応を促すことにある。このプログラムは、個人に対する福利厚生の一環にとどまらず、生産性を向上させるという意味で企業にとってもメリットが大きいことが認識されており、米国ではすでに約95%もの企業で導入されていると言われる(フォーチュン上位100社では100%の企業が導入)。わが国においても、長引く不況や昨今の労働環境の急激な変化が、企業で働く人々に大きな心理的負担を与えて、"社内うつ"と称される社内不活性状態に陥った社員の問題もクローズアップされている。実際、厚生労働省の調査でも、企業労働者の約7割が仕事・人間関係に関して悩みやストレスを抱えているという結果が明らかになっており、さらに企業で働く約5%もの人々が心理的なストレスから職場不適応状態に陥っているという調査結果もある。こうした状況を背景に、日本でもEAPに対する関心が急速に高まっている。

EAPサービスにおいては、これまでも電子メールによるカウンセリングを提供しているケースはありましたが、メールによるコミュニケーションでは、満足の行く結果が得られない場合が散見されました。そのため、カウンセラーと相談者が離れた場所にいても、互いの顔を見ながらリアルタイムでインタラクティブにコミュニケーションがとることができるシステムがユーザーから期待されていました。このシステムでは、光ファイバーなどのブロードバンド回線を利用することで、高品質な音声・画像を通して、カウンセラーと相談者がリアルタイムでコミュニケーションをとることができます。また、早稲田大学 文学部 心理学教室 小杉 正太郎 教授の知見に基づき開発されたストレス・マネジメント検査『Co-Labo』(*2)の受検結果のアウトプットシートを画面に表示しながら、カウンセリングを進めることもできます。

アトラクス ヒューマネージのEAPサービスは、小杉 正太郎 教授の知見に基づき開発されたストレス・マネジメント検査『Co-Labo』の受検、及び、その受検結果に基づくカウンセリングなどから構成されます。

アトラクス ヒューマネージはこれまで、カウンセリングサービスを東京の本社内に設けたカウンセリングルームで提供してきました。本カウンセリングは、小杉教授が提唱するコーピング(ストレスに対する対処方法)理論に基づく『問題解決』型カウンセリングであり、相談者の悩みを聞くことに重きを置いた従来型の『癒し』型ストレスカウンセリング手法とは一線を画するものです。このカウンセリング手法に精通したカウンセラーを全国展開に向けて人数を確保することが難しいため、地方の企業や全国に事業拠点を有する企業から対人カウンセリングを首都圏以外の地域でも提供してほしいという要望には十分対応ができませんでした。今回、同システムを開発することにより、適切な訓練を受けた専任カウンセラーが東京にいながら地方のサービス利用者に対しても質の高いカウンセリングサービスを提供することが可能な体制を整えることができました。

今後、アトラクス ヒューマネージでは、同システムを通して、EAPサービスを日本企業の海外駐在員など、国外にも展開していくことを検討しています。

*2:ストレス・マネジメント検査『Co-Labo』について 『Co-Labo』(コラボ)は、ストレス心理学で著名な早稲田大学 文学部 心理学教室 小杉 正太郎 教授が4万件を超える豊富なデータをもとに開発した「職場ストレススケール(JSS)」に基づき開発された現有社員向けストレス・マネジメント検査である。「職場ストレススケール(Job Stress Scale=JSS)」とは、職場におけるストレス状態を客観的に測定し、その結果を数値化して提示する心理検査の一種です。

ストレス状態は、ストレスの原因となる事象(ストレッサー)、ストレッサーへの対処方法(コーピング)、さらにストレッサーによって起こる心理的ストレス反応の3つの要素から成り立っています。ストレッサーや、心理的ストレス反応のみを調べる簡単な検査は従来もあったが、『Co-Labo』は、ストレス状態を多角的に分析できる点が大きな特徴となっています。その検査項目は、ストレッサーに対処する方法として個人が習慣化している行動特性であるコーピングやソーシャルサポート、ソーシャルスキル、家族ストレッサー、職務満足感など7尺度にも及び、これだけ多様な尺度でストレス状態を測定し、定量的に知ることができる検査は他に類を見ません。

個人の受検者にとって、『Co-Labo』は、身体の健康状態を知るために定期的に実施される健康診断のように、自らの心の健康(メンタルヘルス)状態を客観的に把握する機会を提供します。テスト結果は、プライバシーを尊重し、各受検者本人のみにフィードバックされ、受検者はその結果を見て、自分が職場でどのような事象をストレッサーとして自覚し、それに対してどのような対処方法を取る傾向があるかなどを、分かりやすい指数及びコメントを通して知ることができる。自らのストレス状態に対する"気付き"は、ストレス・マネジメント及びメンタルヘルスケアの第一歩であり、社員の職場や仕事に対する満足感や生産性を高めることにつながることが大いに期待できるものです。

また、『Co-Labo』の結果は、組織向けにも提供される。受検結果の総体を、組織全体、さらには男女別、職種別、職位別、部署別、年代別、採用形態別(新卒採用または中途採用)、部署規模別などの組織内のサブグループごとに集計・分析し、現状の組織環境が、その構成員のストレス状態にどのような影響を与えているかを分析結果報告書として提示します。組織は、診断結果に基づき、社員のストレス・マネジメント支援や活性化のための施策を計画することができます。さらに、その施策を実行した際には、その効果を『Co-Labo』により定量的に測定し、その導入効果を的確に把握することができます。

『Co-Labo』は、自記式版(マークシート方式)での実施、WEB版での実施、双方に対応。自記式版では、50名以下の受検者を対象にした実施については、1名当たりの診断料は3,000円。(個人、組織に対する結果のフィードバックを含む)。『Co-Labo』実施前の職場メンタルヘルスのレクチャー、実施後の個人に対するインテーク(予備)面接及びカウンセリングサービス、組織に対するコンサルティングなどは、オプション料金にて提供。

以上

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